当ブログでは、日本各地の動物園が取り組む活動や、近日実施されるイベントを紹介する『動物園ニュース』を、月2回(上・下)のペースで配信しています。
今回は、2025年11月前半(上)です。ぜひ最後までお付き合いください!
従来4つのニュースをただ並べるだけの動物園ニュースでしたが、今回からは並べるニュースは原則として3つとし、新たに『アリからゾウまで』のコーナーを設けることにしました。
もちろん取り上げたいニュースが3つより多い場合には、この限りではありません。
アリからゾウまで [1]
今回から新企画『アリからゾウまで』を始めます。初回はこのコラムの趣旨と由来について書ければよいと思っています。
早速ですが、このコラムの役割として、当ニュースの「天声人語」のような位置付けとなる小文になることを期待しています。1つのトピックについて、生き物の語り部が語る場所を設けたいと考えて作ることにしました。願わくば、このコラムを読んでのご感想、下のニュースを読んでのご意見を頂戴したいと思っています。白状すると、そうして動物園界隈でこのブログが広まっていくことが、最終的に目指す場所なのです。
さて、「アリからゾウまで」というキャッチコピーに、既視感を抱いた方もいるかもしれません。実は、東京都の多摩動物公園が開園時からキャッチコピーにしている言葉なのです。多摩動物公園は東京都日野市にある敷地の広い郊外型動物園です。オランウータン飼育で非常に大きな功績を残してきただけでなく、日本最高齢のアジアゾウ「アヌーラ」を開園前から飼育してきたことで知られています。
実際に「アリからゾウまで」飼育している動物園は少ないかもしれませんが、サイズの小さな昆虫から大きな哺乳類まで、日本の害獣から海外の珍獣まで、さまざまな動物を見ることができるのが動物園という場所です。それゆえに動物園ブログのコラム名にするにふさわしいと思い、今回拝借することにしたのです。
動物園ニュースを読む時のささやかな愉しみにしていただければ幸いです。
沖縄こどもの国で飼育員がアジアゾウに圧迫され重傷
2025年10月22日、沖縄県の沖縄こどもの国のゾウ舎で採血作業を行っていた飼育員が、メスの「琉花」に転倒させられ、その後鼻と前脚で圧迫される事故が発生しました。
園の公表によれば、当日は5名態勢で採血業務を実施しており、転倒した飼育員は搬送の結果、右肩甲骨や肋骨の骨折、軽度の肺損傷が確認されて入院治療を受けているとのことです。事故直後は意識ははっきりして会話も可能であり、その後の救命処置と経過観察が行われています。
園は再発防止として、今後は健康管理業務を直接同一空間で行うのではなく、檻や柵越しの方法に切り替えるなど業務手順を改定するとしています。
『ホッキョクグマまるごとBOOK』刊行 — 国内31頭を一冊に
辰巳出版よりムック『ホッキョクグマまるごとBOOK』が2025年10月30日に発売されました。国内17施設に暮らす31頭のホッキョクグマを取り上げ、個体紹介や生態解説、飼育員の秘話などをまとめた一冊です。
巻頭には2024年生まれの赤ちゃん個体らが登場し、写真やエピソードが多数収録されています。動物園で暮らす個々のクマの暮らしぶりを俯瞰できる点で、教育資料としての価値も期待できます。
本書は、飼育下の個体紹介にとどまらず、ホッキョクグマが直面する環境変化や保全の視点も織り込んでおり、読者が「個」を通して「種」の状況を理解する助けとなる構成です。
上野から来たツチブタ一般公開 — 日本平動物園
東京都の上野動物園から静岡県の日本平動物園へ移動した雌のツチブタ「ジュー」の一般公開が、2025年10月29日から始まりました。
園の発表によれば、ジューは2019年2月14日生まれで好奇心旺盛な個体と紹介されており、同園にいる雄「ゴロファ」と隔日で交代展示を行う予定とされています。公開は当分の間、動物の体調を最優先にしつつ運用されるとのことです。
今は、珍獣の繁殖の成功を祈りましょう。
まとめ
今回の記事では、2025年11月前半の動物園に関するニュースをお届けしました。
今後も当ブログでは、日本各地の動物園や水族館のイベントや出来事を、ニュースとして紹介していきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

  
  
  
  
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