大きな口、どっしりした体、水中でのんびり浮かぶ姿――見た目のインパクトが抜群なカバですが、ほかにも「えっ、そうなの?」と思うような特徴がいくつもあります。
今回は、カバの不思議に迫っていきましょう。
基本情報
カバ(カバ科・カバ属)は、アフリカに生息する大型の草食哺乳類です。
主な特徴:
- 体長:約3〜4m
- 体重:1.5〜3トン以上
- 主な生息地:アフリカの川・湖・湿地
- 食性:草食
- 生活スタイル:昼は水中、夜は陸で採食
陸上の大型動物ですが、生活の中心は水辺です。皮膚が乾燥や日差しに弱いため、日中は水に浸かって過ごします。泳いでいるように見えますが、実際は水底を歩いて移動することも多い動物です。
大人しそうな見た目をしていますが、野生では非常に警戒心と攻撃性が強い動物としても知られています。
「赤い汗」のなぞ
カバといえば有名なのが「赤い汗をかく」という話です。
皮膚から赤っぽい液体が分泌されるのは本当ですが、これは血でも普通の汗でもありません。
この分泌液には、人間の汗とは異なる役割があります。
まず、アフリカの強烈な紫外線から皮膚を守ります。カバの皮膚は薄く乾燥や直射日光に弱いため、この液体で皮膚を守る必要があります。
液体のもう1つの目的は、傷口の細菌感染を防ぐことです。傷が膿む原因となる緑膿菌などを抑制する「天然の薬」として機能し、カバを皮膚病から守っています。
つまりカバは、日焼け止め+消毒液を自分で作っているのです。水から上がった直後のカバが、体表に赤みを帯びて見えることがあるのはこのためです。
「河馬」は、クジラの親戚です。
「河馬(かば)」という漢字は、中国語由来で「川の馬」という意味ですが、分類学的には馬とはほとんど関係ありません。
現代の研究では、カバは――
👉 クジラやイルカに近いグループ
に属することが分かっています。
なぜ分かったのか?
- DNA解析
- 骨格の比較
- 進化系統の研究
これらから、カバとクジラは共通の祖先を持つ近縁グループだと判明しました。
進化の流れとしては、
半水生の祖先動物 → 分化 → カバ系統とクジラ系統に分かれた
と考えられています。
カバのプールはなぜ濁っている?
動物園でカバを見に行くと、
「プールの水、かなり濁っていない?」
と感じたことがある人も多いでしょう。
これは動物園の管理が悪いわけではありません。
理由①:カバは水中で排泄する
カバは水の中で排泄します。
野生でも同じ行動をとります。
さらにカバは尾をプロペラのように回して、排泄物を広範囲に拡散させる習性があります。これは縄張りマーキングの意味もあります。
理由②:皮脂・分泌液が多い
先ほど紹介した「赤い分泌液」や皮脂も水に溶け出します。
これも水の色に影響します。
理由③:自然環境の再現
野生のカバが暮らす川も、実はかなり濁っています。
動物園では、
- 行動の自然さ
- 皮膚保護
- ストレス軽減
を考え、ある程度“自然寄り”の水環境を保つ設計になっている場合があります。
もちろん、衛生管理上の問題がないように、しっかりと清掃、水質管理は行われています。
まとめ
カバは「大きくて水に浮かぶ動物」というイメージが強いですが、詳しく見ると非常にユニークな特徴を持っています。
- 巨体だが水辺中心の生活
- 赤い“汗”は天然の日焼け止め
- クジラの近縁という進化的背景
- プールが濁るのには生態的な理由がある
もしカバがいる動物園に行かれる際には、皮膚の色やどこがクジラっぽいかに注目しながら観察してみてください!


コメント