「イケメンゴリラ」シャバーニ、日本中親戚だらけに?

にっぽんの動物園
2015年ごろからSNSで「イケメンゴリラ」として話題を集めてきた、愛知県の東山動植物園のシャバーニ。そんなシャバーニと、ほかの動物園のゴリラたちの意外な関係を明らかにします!最新の「お引越しニュース」とともに、お届けします。

シャバーニの生い立ち

シャバーニは、1996年オランダ生まれ。オーストラリアのタロンガ動物園を経て日本へやってきました。実は、上野動物園のシルバーバックであるハオコ(1993年)とは実の兄弟(父母とも同じ)なのです。2頭は2007年に兄弟そろって来日し、シャバーニは東山へ、ハオコは上野へと分かれて暮らし始めました。

日本のゴリラは親戚だらけ?

国内のニシローランドゴリラは6園で計19頭(2025年8月17日時点)と少なく、このままでは日本からゴリラがいなくなってしまうとも言われています。そこで各園の飼育状況を、親子・兄弟のつながりなどがわかるように整理していきます。

<上野動物園(東京)>

個体名性別誕生家族関係・メモ
トト1978高齢、群れと血縁無し
モモコ1983ハオコのパートナー/
ハオコ1993シャバーニの実兄/群れの父
コモモ2009モモコ×ハオコの
モモカ2013同上の(→千葉へ移動予定)
リキ2017同上の息子
スモモ2022同上の(人工哺育→群れ復帰)

<東山動植物園(愛知)>

個体名性別誕生家族関係・メモ
ネネ1972(?)最近は高齢で群れと別居
シャバーニ1996群れの父(ハオコの実弟
アイ2003シャバーニのパートナー
キヨマサ2012息子(母はネネ)
アニー2013(母はアイ。上野へ移動予定)

<京都市動物園>

個体名性別誕生家族関係・メモ
ゲンキ1986モモタロウのパートナー
モモタロウ2000群れの父(上野のモモコの子。父はハオコの前のシルバーバックだったビジュ。)
ゲンタロウ2011息子(→上野へ移動予定)
キンタロウ2018息子

※京都のメス、ゲンキは現在第3子を妊娠中。年齢的にも今回が最後の出産になる可能性が高く、母子ともに無事に出産できることを祈ります。

<1頭で暮らすゴリラたち>

個体名性別誕生メモ
千葉市動物公園モンタ1984これまで単独(※上野のモモカ受入予定)
浜松市動物園ショウ1977頃単独
日本モンキーセンタータロウ1973国内最高齢オス/単独

新しい群れの構築のために

2025年は、国内ゴリラの遺伝的多様性を維持するための大規模な引っ越しが行われます。いわゆるブリーディング・ローンです。

上野動物園はモモカ(♀)を千葉へ送り出し、ゲンタロウ(♂/京都)アニー(♀/東山)を受け入れることで、新しい群れの構築を目指すことになったのです。移動は2025年10月~11月の予定です。

なお、ゲンタロウの祖父・祖母は、(故)ビジュ・モモコであり、アニーの両親はシャバーニ・アイなので、2頭の間に血縁関係はありません。ハオコ・モモコのペアが高齢であり、これ以上の繁殖は行わないことを受けて、ゲンタロウとアニーのペアを起点に新しい群れの構築を目指すことになると思われます。

難しいのは、すでに上野動物園にいる若い個体たちの立場です。上野の若メスたちは皆モモコの血を引くためゲンタロウとの繁殖はしないはずです。若オス(リキ)とアニーは、父親同士が兄弟の、いとこ関係にあるため、こちらも繁殖はしないでしょう。

一方で、千葉のモンタは、メスのローラが今年7月に死去してから、1頭で飼育されてきましたが、あらためて繁殖を目指します。「年の差ペア」から新しい群れが構築されることを期待します。

まとめ

イケメンゴリラ「シャバーニ」の影響もあり、ゴリラは大人気の動物。しかし、現在日本には、ゴリラがわずか19頭しかいません。少しでも長く見られるように、「引っ越しプロジェクト」が進行中であることもご紹介しました。ぜひ次の休日に、近くで見られるゴリラを見にいかれてはいかがでしょうか。

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