動物園ニュース【2025年12月】〔上〕

にっぽんの動物園
当ブログでは、日本各地の動物園が取り組む活動や、近日実施されるイベントを紹介する『動物園ニュース』を、月2回(上)のペースで配信しています。
今回は、2025年12月前半(上)です。ぜひ最後までお付き合いください!

アリからゾウまで [3]

世の中には皮肉なことがたくさんあります。

今年、動物園業界で最も有名になったのは、「ノースサファリサッポロ」ではないでしょうか?普段は動物園に興味がない人でも、1度や2度は、閉園騒動をニュースで見たことでしょう。

「他にも動物園が沢山あるのだから、そこで飼えばいいじゃないか。」と思うかもしれませんが、動物園同士の動物の譲与・交換はさまざまな要素を加味して、計画的に行われています。遺伝子の情報や病歴などが不透明な動物を簡単には受け入れられないのが実情です。

このような事態になる前に、動物園をめぐる制度設計を改めるべきだという意見もあります。とても妥当ですが、立法や行政機関の仕事は多岐に渡り、動物園にまで十分に手が行き届かないことも事実です。

私たち来園者が「動物園リテラシー」を持つことが大切なのではないでしょうか?

悲しい事故

2025年11月21日午前8時15分ごろ、千葉県の市原ぞうの国で、タイ国籍の飼育員サランガム・タワンさん(30歳)が、飼育舎内でゾウの清掃作業を行っていた際、ゾウによって踏まれ死亡する事故が発生しました。

ゾウの事故は、飼育員にとって最大のリスクのひとつです。ゾウは体重数トンにもなる巨大動物であり、飼育には細心の注意が必要です。今回の事故は、飼育方法、作業体制、ゾウ舎の設計などの問題が複合的な絡み合ったものであるかもしれません。

市原ぞうの国に限らず、飼育下で動物と人が関わるすべての施設において、安全対策の見直しと透明性のある情報公開、そして再発防止のための対策が求められます。犠牲となった飼育員の方のご冥福を改めてお祈りいたしますとともに、同様の事故が二度と起きないことを願います。

ゴリラの赤ちゃん誕生!

2025年11月24日、京都府の京都市動物園にてニシゴリラの赤ちゃんが誕生しました。母親はメスの「ゲンキ」、父親はオスの「モモタロウ」で、今回の誕生はゲンキの3回目、同園におけるニシゴリラの繁殖は通算で6回目となります。出産直後はストレスや混乱を避けるため非公開でしたが、12月2日より一般公開が始まりました。

ニシゴリラは西アフリカの熱帯雨林に生息するゴリラで、密猟や森林破壊によって個体数が減少しており、国際的に保全される種です。飼育下での繁殖は、種の保存という観点から極めて重要な成果です。

また、来園者が赤ちゃんゴリラの成長過程を見守ることで、ゴリラという種や、生息環境の厳しさ、保全の必要性について自然と学ぶ機会を得ることになります。

日本にはゴリラが20頭しかいない中、赤ちゃんが無事にオトナになってくれると良いですね。

まとめ

今回の記事では、2025年12月前半の動物園に関するニュースをお届けしました。

今後も当ブログでは、日本各地の動物園や水族館のイベントや出来事を、ニュースとして紹介していきます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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