当ブログでは、日本各地の動物園が取り組む活動や、近日実施されるイベントを紹介する『動物園ニュース』を、月2回(上・下)のペースで配信しています。
今回は、2025年11月後半(下)です。ぜひ最後までお付き合いください!
アリからゾウまで [2]
当然のことながら、動物園は動物を見る場所であり、野生動物がうろつく場所ではありません。しかし、そんな常識が破られるという事件が起こりました。
場所は北海道の円山動物園。うろついていたのは日本最大の陸上生物であるヒグマです。幸いなことに、展示されている動物、来園者、職員のいずれにも怪我はありませんでしたが、エサ用のホッケやヒヨコが食べられたと報じられています。
クマは最初に痕跡が確認されてから4日目、設置されたわなにかかり、駆除されました。
当ブログの読者の中には、動物が大好きでたまらないという方も数多くいらっしゃることでしょう。「殺すなんてあんまりだ」「麻酔で眠らせて山奥に返せばいい」と思う方もいるかもしれません。
一方で、「いくら動物が好きでも、人間社会が甚大な被害を受ける場合、話は別だ」「可哀想ではあるけれど、殺すことはやむを得ない」という立場の方が多いのも事実です。
この問題から派生するテーマとして、「動物に権利はあるのか?」という問題があります。「ヒグマを含め、すべての動物には生きる権利があるのだから、殺してはいけない」という動物園好きがいれば、「動物に権利があるなら、動物を檻に閉じ込める動物園なんて監獄みたいな場所ということになるだろう」と反発する人もいそうです。
こうしてみると、動物をめぐる人間の態度はきわめて多様です。そのような中で、動物園はできるだけ多くの来園者に満足感を与えようとさまざまな工夫をしています。動物園に行く際には、どんな工夫がなされているのか探しながら、園路を歩いてみてください。
「命を守り、次世代へつなぐ小さな動物園の挑戦」~ごかつら池どうぶつパークをともに応援しませんか~
三重県多気町にあるごかつら池どうぶつパークは、かつて「花と動物ふれあい広場」として1993年に開園しましたが、年月を経て施設の老朽化や来園者減少、高齢動物の増加によって存続が危ぶまれていました。
そんな状況を受け、地域住民から「どうぶつパークを残してほしい」という声があがり、2024年に大規模な改修を経て「ごかつら池どうぶつパーク」としてリニューアルオープンを果たしました。
施設面では、動物福祉を重視した展示設計が取り入れられ、来場者が動物をできるだけ自然な形で観察できるように配慮がなされています。また、園内には野生傷病動物を保護する施設も整備されており、傷病野生動物、特に三重県の希少動物(カモシカなど)を保護する仕組みが動き始めています。
多気町と園は、ワンヘルスを大切なテーマとして掲げています。単なる展示施設にとどまらず、地元と連携しながら、小さな町の動物園が果たすべき社会的役割を模索していることが特徴です。動物福祉の強化、次世代への命の継承、地域活性化という三つの軸を持って、この再生を進めていく決意を持っているのです。
しかし、リニューアル以降も資金的な課題は残っています。特に施設改修には大きなコストがかかっており、未手入れのエリアがあること、市民の支援を引き続き必要としています。
現在、園はクラウドファンディングを実施中です。詳しくは以下のサイトをご覧ください。
目標金額である1,000万円を達成した場合のみ、園は集まった支援金を受け取ることができます。支援募集は12月26日(金)午後11:00までです。
「ちば ZOO&AQUA」発足|4園館の協力スタートへ
2025年10月27日、千葉県内の4つの動物園・水族館が連携する 「ちば ZOO&AQUA」 プロジェクトが発足しました。これは千葉県内の公益社団法人日本動物園水族館協会(JAZA)加盟館同士が協働し、誘客強化や施設価値の向上をめざす試みです。
参加施設は以下の4館:
- 千葉市動物公園(千葉市)
- 市川市動植物園(市川市)
- 市原ぞうの国(市原市)
- 鴨川シーワールド(鴨川市)
プロジェクトの目的は、大きく三つに分類されます。
- 各園館が飼育技術や環境エンリッチメントのノウハウを共有し、展示や福祉の質を高めること。
- 年間パスポートを活用した割引など来園者向けの共同施策を展開し、誘客を促進すること。
- JAZA総会の共同運営などを通じて、地域の文化・経済と動物園・水族館の役割を結びつけること。
スタートプロジェクトとして2025年11月1日から2026年3月31日まで、年間パスポートの提示による入園割引が実施されます。具体的には、市川市動植物園と千葉市動物公園では20%割引、市原ぞうの国と鴨川シーワールドでは10%割引の設定。さらに、年間パスポートを持っている本人と同伴者合わせて最大5名まで適用される仕組みです。
この連携に端を発して、各園館が技術やアイデアを持ち寄り、来館者に対して新しい体験を提供することで、施設単体では難しかった取り組みを共同で進められるようになる可能性もあると考えられます。
千葉県の動物園では、茨城大学と日立市かみね動物園・千葉市動物公園の研究教育連携プロジェクトであるZoo Science Hub in Ibaraki Universityがすでに存在しており、目下さまざまな動きが見られています。
まとめ
今回の記事では、2025年11月後半の動物園に関するニュースをお届けしました。
今後も当ブログでは、日本各地の動物園や水族館のイベントや出来事を、ニュースとして紹介していきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


コメント