散歩中、庭先で軽やかに駆けるトカゲと、ゆっくり甲羅を背にのそのそ歩くリクガメ。どちらも「四肢を使って陸を移動する」爬虫類ですが、その歩き方には明らかな違いがあります。
なぜこのような違いが生まれたのでしょう?
今回は、「生活環境・骨と筋肉の構造」という2つの観点から、この問題に迫っていきます!
環境からの適応
トカゲが暮らす環境
トカゲの仲間は、たとえば岩場・木の根元・崖・砂地など、細かく状況が変化する地形を、素早く移動する必要があります。獲物を捕らえたり、天敵から逃れたりするなど、機動性が重要な場面が多く、走る・跳ぶ・急旋回できる柔軟性が求められます。
その結果、脚を体側から大きく広げる姿勢や、体幹を左右に揺らして足を前後に出す歩き方が、進化したと考えられます。さらに、地面が固くても細かい起伏が多い環境では、身体を大きくゆらさなくても、脚で微調整できる歩き方の方が都合が良いのです。
リクガメが暮らす環境
一方のリクガメは、広い草地や砂地など、比較的障害物の少ない陸上環境で、動きはゆっくりと「確実に移動する」戦略をとることが多いです。甲羅による防御を備え、速く逃げるより「長く生きる」「重装甲でゆったり移動する」ライフスタイルが適応されています。
また、転倒し、ひっくり返ったまま起き上がれなくなるリスクが致命的なため、安定性を重視した歩行様式が選ばれてきたと言われています。
骨格や筋肉の違い
トカゲの骨格と筋肉
トカゲは、背骨、肋骨、肩周りを動かしやすい骨格になっており、体を左右に揺らすことで前へ進む力を生み出します。トカゲの動きを「ちょろちょろ」と表現することがあると思いますが、あの体をうねらせる動きがトカゲの特徴です。
また、トカゲは速い動きを支えるため、筋肉が速く伸縮するため、瞬発的な脚運びや跳躍・急回避が可能だと言われています。
リクガメの骨格と筋肉
一方、リクガメは甲羅を持ち、肋骨・椎骨の変形・融合・強化が進んでおり、体幹の可動性が大きく制限されています。そのため体全体をくねらせて進むことができません。その結果、「重心を毎歩持ち上げる」ような歩き方をしているのです。リクガメは非常にゆっくり・持続的に移動するため、エネルギーの消費効率を高める設計がなされています。
まとめ
トカゲとリクガメは、「移動をどのようにするか」という点で異なっていると言えます。トカゲは「速く、柔軟に、環境を駆け抜ける」ことが選択してきたのに対し、リクガメは「ゆっくり、確実に、安定して移動する」ことを選んできたのです。
今度、動物園で爬虫類を観察する時は、トカゲとリクガメの歩き方の違い(体の使い方の違い)に注目してみてください。
また、展示のされ方の違いにも注目してみましょう。リクガメの展示は広く平坦であるのに対して、トカゲの仲間は野生で暮らす環境に近く、木、岩などが多く入れられているかもしれません。


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