「まったく動かない鳥」として一躍有名になったハシビロコウ。
でも、その堂々たるたたずまいと、時折見せる鋭い眼光に心を奪われる人が後を絶ちません。
鳥なので、もちろん「まったく動かない」ことはありません。でも、あまり動かないのは本当です。だからこそ、動く瞬間を見たいもの。
今回は謎の巨鳥の不思議な魅力を、じっくり解説していきます。
基本情報
ハシビロコウ(英名:Shoebill)は、ペリカン目ハシビロコウ科に属する大型の鳥です。アフリカ中央部の湿地帯、特にスーダンやウガンダ、ザンビアなどの熱帯地方に生息しており、現地でも神秘的な存在とされています。
全長は110〜140cm、翼を広げると2mにも達する堂々たる体格。にもかかわらず、その動きは驚くほど静かで、慎重です。恐竜を思わせるような風貌から、日本の動物園でも人気を博しています。
一瞬の動きで獲物を仕留める、静かなるハンター
ハシビロコウは主に湿地帯や沼地で生活し、魚類やカエルを主なエサとしています。とくに肺呼吸をする肺魚(プロトプテルス)を狙うことが多く、じっと動かずに獲物を待ち伏せし、機を見て鋭くくちばしを振り下ろします。
「動かない=サボってる」と思われがちなハシビロコウですが、実際は非常に戦略的なハンターです。
エネルギー消費を抑えつつ、最大の成果を得るための「待ち伏せ戦法」を使いこなす、名ハンターなのです。
鳴き声を出すことはほとんどなく、かわりにクラッタリングと呼ばれる、くちばしを打ち鳴らす行動で、独特な音を出します。求愛行動や、親子間のコミュニケーションで用いられます。
飛ぶことも可能ですが、飛翔は短時間・短距離に限られ、基本的には地上や低木で過ごしています。
一瞬の動きを楽しむ
ハシビロコウを観察する際のコツは、「じっくり待つ」ことです。
まったく動いていないように見えますが、よく見ると首を少し傾けたり、目をつぶったりと、なにかしらの動きを見せてくれることがあります。
特に見どころは、給餌タイムや水浴びの時間。突如として動き出し、豪快に水をはねさせる姿を見られたら、強運の持ち主かもしれませんね!
どこでハシビロコウに会える?
日本国内では、以下の施設でハシビロコウに会うことができます(※2025年6月時点)。
- 千葉市動物公園
- 上野動物園
- 掛川花鳥園
- 神戸どうぶつ王国
- 高知県立のいち動物公園
- 松江フォーゲルパーク
まとめ
ハシビロコウはじっくり観察すればするほど、その奥深さに引き込まれ、何度でも会いに行きたくなる存在になるでしょう。実際に熱心なファンの方がたくさんいらっしゃいます。
もしハシビロコウがいる動物園に行かれる際には、どんな動きを見せてくれるのかに注目してみてください!
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